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「その街のこども」がDVDに [阪神大震災・記録]

震災15年目にあたる2010年1月17日にNHKで放送された「その街のこども」
渡辺あや脚本で、実際に震災を体験た森山未來と佐藤江梨子がリアルに演技。第36回放送文化基金賞受賞しています。関西は震災特番がいろいろありましたが、本作品は秀逸でした。ラストシーンは当日の東遊園地での追悼式典を収録して夜に放送されています。お二人と午前5時46分を共有体験できたことは感慨深いです。


その街のこども 劇場版 [DVD]


<キネ旬DBから> 1995 年1月17日午前5時46分、「街」は一瞬で破壊され、ぼくたちは生き残った。 偶然出会ったふたりの想いが、夜の街にあふれ出す ――。 こどもの頃に震災を体験し、いまは東京で暮らす勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)。彼らは「追悼のつどい」が行われる前日に神戸で偶然知り合い、震災15年目の朝を迎えるまでの時間を共に過ごすことになる。震災が残した心の傷に向き合うため、今年こそ「追悼のつどい」に参加すると心に決めていた美夏に対し、出張の途中に“なんとなく”神戸に降り立っただけだと言い張る勇治。全く異なる震災体験をしたふたりの間には、大きな溝が広がっているように見えた。しかし、“ある場所”に差し掛かったとき、美夏は勇治が長年抱え込んできた過去を垣間見ることになる。復興を遂げた真夜中の神戸の街を背に、これまで語ることのできなかったふたりの想いが、不器用にあふれ出そうとしていた。

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震災障害者調査 [阪神大震災・記録]

今日の夕刊の第1面より
 兵庫県と神戸市は28日、阪神大震災によって身体に障害を負った人たちの初の実態調査結果(中間集計)を発表した。87人が調査に回答。救出まで5時間以上かかった人が5割にのぼり、救急車で搬送できた人は2割にとどまっていた。専門家は、治療まで時間がかかったことが重症化につながったと見ており、この調査結果を、将来の大災害での被害軽減に役立てたい考えだ。
以下:http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201012280058.html

20101228174314.jpg

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神大震災:政府首脳ら400人の肉声記録、来春にも公開 [阪神大震災・記録]

こんな記録があったとは知らなかった。貴重なだけでなく、早めに公開されることが素晴らしいと思います。

阪神大震災(95年1月)の当日やその後の復興について、政府首脳や自治体・企業関係者ら400人以上が語った膨大な記録が、早ければ来春、公開される。神戸大名誉教授の五百旗頭(いおきべ)真・防衛大学校長が代表を務めるグループが約10年かけて調査。国家や企業などの機密情報が含まれる可能性や、ありのまま語ってもらう目的から、外交文書などに準じて震災の30年後に公開するとしていたが、教訓を一刻も早く対策に生かそうと公開に踏み切ることにした。
以下:http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091224k0000m040094000c.html
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阪神大震災の写真公開 [阪神大震災・記録]

震災15年を前に、写真公開についての2つのニュースです。

○大震災風化させない 隊員撮影の写真公開へ…神戸市消防局
 神戸市消防局は、阪神大震災で隊員らが撮影した写真約2000枚と体験手記を、来年1月17〜29日、同市役所で公開することを決めた。被災地の被害状況が多数記録された内部資料で、一般公開されるのは初めて。震災の全容を知る貴重な資料として注目される。
以下:http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20091121-OYO1T00333.htm

○阪神大震災“消防士の使命”撮影537枚、後世へ 美術館で展示
 平成7年1月に起きた阪神大震災の被災状況を克明に記録した元消防士による537枚もの写真が、兵庫県芦屋市立美術博物館に届けられた。
以下:http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/hyogo/091118/hyg0911181150001-n1.htm
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西宮市震災写真情報館 [阪神大震災・記録]

朝日新聞で西宮市のHP内のコンテンツとして震災写真情報館が紹介されている。以下はHPの紹介文です。

「1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神・淡路大震災において、西宮市内だけで1,146名もの命が失われたほか、計り知れないほどの被害と、癒すことのできない悲しみとが街に残されました。
街なみは大きく復興しましたが、亡くなられた方のことを、当時の記憶と悲しみを、忘れてしまってはなりません。
そのため西宮市では、市役所の記録と市民の皆さんにご提供いただいた資料をデータベース化し、公開することとしました。
震災を知るひとにも、震災を知らないひとにも、すべてのひとと記憶を共有するなかで、未来への希望と、新しい歩みへの勇気について、皆さんとともに考えていきたいと願っています。」

http://momo.nishi.or.jp/GIS/AppRoot/hisai_Phot/view.asp?mode=start

私事でありますが、この西宮が自分が働き始めたところだけに、作成された職員のかたの「愛する西宮への恩返し。全国の人にも見てもらい防災意識を高めてほしい」という言葉が響きます。このブログも微力ながら同じ気持ちで運営できればと考えています。

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被災地発行の新聞各紙 [阪神大震災・記録]


たぶん今日は関西と全国では、大きく紙面構成が違うのではないでしょうか。


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こころに残す灯り [阪神大震災・記録]

阪神大震災の犠牲者を追悼する「1・17のつどい」の会場となる神戸市中央区の東遊園地の南側に、34階建ての超高層タワー型マンションが建設されることになり、関西電力神戸支社ビルが、オフィスをライトアップさせて描いていた「1・17」の文字が隠れることになるらしい。マンションは平成21年12月に完成予定で、ビルに浮かぶ「1・17」の光も来年で見納めになる可能性が出てきた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070618-00000903-san-soci(産経新聞より引用)

毎年参加しているのですが、ビルの灯りを撮影したものをHDのなかからひろいました。見えなくなっても、自分の記憶からは「1・17」の文字が消えることはありません。

震災10年となる平成17年から「1・17」を点灯されていますが、当時の流れていたCMを保存してあります。関西以外のみなさまにおくりたいと思います。


お詫び:音声トラックの一部が途切れ、ずれが生じていること、ご容赦くださいませ




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阪神大震災の被害が確定 被災住宅は64万棟に [阪神大震災・記録]

消防庁は19日、95年1月の阪神・淡路大震災について、住宅や道路などの被害件数が確定したと発表した。死者、行方不明者、負傷者、全半壊住宅は05年12月にまとまっており、今回の被害件数で震災から11年余りでようやく被害状況が確定した。被災住宅は計63万9686棟にのぼる。発生から10年たった昨年1月に被災市町が被害状況の再調査を始めた。一部損壊住宅の数が多いことや、全半壊に比べて適用される被災者支援制度が限られていることなどから一部自治体で集計が遅れていた。災害対策基本法に基づく同庁の要領では、被害状況の確定は応急復旧が終了した日から20日以内に自治体が同庁に報告すると定めている。発生から11年が経過し、ようやく確定したことについて、同県は「被害の大きさを反映した結果」としている。(asahi.comより)


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震災1年目 [阪神大震災・記録]


阪神大震災の1年目の新聞です。9年半の歳月は紙面を茶色くしていまいましたが、被災したひとには決して色あせることのない貴重な紙面です。この時点で阪神間の仮設住宅には9万人もの人々が復興を目指していました。めっきり寒くなったであろう冬に向かう中越の復興を願ってやみません。


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5時46分のモニュメント [阪神大震災・記録]

阪神大震災復興のシンボル・HAT神戸に、ガラスに覆われたシンプルな建物が「人と防災未来センター」。震災の経験と教訓を後世に伝える、HAT神戸のランドマークです。入り口横の池に浮かぶモニュメントが何を表すのかわからなかったのですが、説明板をみると地震発生の5時46分の時計の長短針の角度を表現しているとのことで納得。

http://www.dri.ne.jp/ 公式ページのトップの震災映像はなかなかよくできています。これを人と防災未来センターの大型スクリーンで見ると怖いくらいです。CGと違って、ゴジラを始め日本の特撮スタッフの総力をあげ、工学的な解析のもとに映像が作成されています。展示にもいろいろな工夫があるだけでなく、内容も更新しながら努力されています。神戸に立ち寄りの際はちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。


平成17年度兵庫県・神戸市合同総合防災訓練のあと撮影


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雨の中での追悼のつどい [阪神大震災・記録]

雨にたたられた式典


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神戸にかかる虹 [阪神大震災・記録]

追悼のつどいの直前に六甲山にかかった虹


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追悼の雪地蔵 [阪神大震災・記録]

乾物親子で参加した雪地蔵作り

神戸・三ノ宮 東遊園地にて


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メモリアルウォーク [阪神大震災・記録]


バックの高層ビルは神戸市役所

毎年、息子と歩いて参加しています。

        シンボルの白いリボン


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追悼のつどい [阪神大震災・記録]

ことしは兵庫県公館との2元開催とのことです。しかし、ここまで近づいたら

怒られましたね。警備を厳しくしたら、ここでは開催できないでしょうね。


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慰霊と復興のモニュメント [阪神大震災・記録]

東遊園地にある慰霊と復興のモニュメント


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1.17の灯り [阪神大震災・記録]

切り出した竹筒を「1.17」の形に並べるとこうなります。

祈っているのは、乾物屋の息子と乾物妻です。


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明日から神戸へ [阪神大震災・記録]

震災フォーラムが終わって一旦帰阪しました。あすから再び息子を連れて

切り出した竹筒を「1.17」の形に並べてきます。


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阪神大震災・創造的復興フォーラム [阪神大震災・記録]

夜勤明けで行ってきた創造的復興フォーラムの総括会議のネット中継が本日あります。


      2日目の会議の様子です。

  創造的復興フォーラム 復興10年総括フォーラム
2005年1月15日(土)16:30-18:30にアクセスください。
http://19950117.msn.co.jp/stream/index.htm#no01

自分は災害医療のシンポジウムに行きますが、間に合えば行ってみたいと思ってます。

         立ち見まででた総括フォーラム


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神戸にて [阪神大震災・記録]

「1.17希望の灯り」に使う竹筒の切りだしを東遊園地でやってきました。
そのあと復興フォーラムに参加しているのですが、夜勤明けのために
居眠りしそうです。ロビーの端末から現地報告ということで!


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あれから10年・・・ [阪神大震災・記録]

阪神大震災の特集雑誌8冊まとめて1000円で古本屋に並んでおりました。
ビニールカバーに「あれから10年・・・震災を乗り越えて・・・」と、マジックで
書かれていました。売った人も、お店の人も、きっと思い入れがあるのだと
感じました。半分は本棚に今でも保存してありますが当時入手出来なかった
雑誌は思わず見入ってしまいました。

もっと、色々と手持ちの震災資料をアップしようとしているのですが、なかなか
ブログ障害にはばまれ、はかどりません。17日までは、暇を見つけて、なるべく
コンテンツを増やすつもりですなんですけどねぇ・・・・・・


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9年の歳月を超えて [阪神大震災・記録]

昔のメモが出てきたのでそのまま載せておきます。
        
        「仮設住宅補修ボランティアの経験を通して」       乾物屋
        
         仮設住宅は2Kタイプ(台所・6畳・4畳半・バス・トイレ)を基本として、
        一部単身者向け1Kタイプがある。市街地中心部の狭隘地ではユニットバスに
        したり、建物の設置間隔を狭くしたり2階建てや長屋形式の長径化で収容効率
        をあげている。加古川・高砂・淡路島など郊外立地の仮設住宅では、建物間隔
        に余裕が見られ、駐車スペースすら確保できる。しかし、郊外では比較的早期
        に建物が完成した経緯から優先して単身の高齢者が入居する結果となり駐車場
        問題はそれほど深刻ではない。市街地での仮設住宅では仕事や病気通院の関係
        で遠隔地へは移れない事情等から自家用車の駐車スペースの確保が問題となる。
        1世帯あたりの家族数も多くなり、収納スペースも足りず住環境は劣悪となる。
        
          #1 基礎
        整地状態で杭打ちした丸太の基礎が不揃いで床が軋む
        防腐処理が施されていないため腐りやすい
        
          #2 床および畳
        不揃いな基礎に続く床は歩くと軋む
        隣家だけでなく屋外からも居住者の室内移動がわかるほどである
        
          #3 壁
        あまりに薄いパネルで遮音効果は無い
        両隣の生活状況は手に取るようにわかる
        子どもが暴れると、隣家は余震と勘違いすることもあった
        
          #4 窓
        雨戸がない
        住宅全体のゆがみで窓枠が変形し、窓が開閉しにくい
        同じく、窓が外せない
        レール部分に砂がたまり、窓が開閉しにくい
        
          #5 扉および襖
        完成品である扉や襖は変形している室内では開閉が困難になる
        高齢者では操作する力が一般に弱く、開閉操作がより困難である
        観音開きのドアが畳を削る
        引っかかるため絨毯がひけない(寒い)
        
          #6 天井
        パネル形式の天井は固定せず置いてあるだけ
        雨漏りを吸い込んで、パネルが反り返り隙間が生じている
        断熱材が漏れてきた雨水を吸い込んでしまう
        
          #7 屋根
        強風で屋根がはがれて、飛んでいった
        強風時は、ワイヤーロープで固定しなければならない
        
          #8 収納
        絶対的なスペース不足
        洗濯機は屋外に設置する
        冷蔵庫を屋外に設置するケースもあり
        空き地にテントを張って家財を収納する
        
9年前の仮設住宅の補修のメモですが、「たぶん」今の新潟でも
そのまま通用するような気がします。確かめて見たいんですが・・・・・・・


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1月17日午前4時大阪発震災追悼日誌 [阪神大震災・記録]

1月17日午前4時大阪発震災追悼日誌

 親戚一家3人が圧死した湊川を今年も訪れてきました。復旧した阪神高速から輝ける闇の中に六甲道の駅が浮かんで見える。市役所も県庁も一部のフロアは明かりが灯っている。県庁前には待機のタクシーが道路にまではみ出していた。召集職員の再配備のためだろうか。湊川ダイエーのそばの被災現場は今は駐車場になってしまった。3年目にはいるのに自分の中の震災時計は1周忌のままのような不思議な気がする。車の中で5時30分までKiss-FMの追悼番組を聞きながらこの2年を遡っていく。

 宝塚・西宮・芦屋・東灘とバイクで駆け回ったボランティア。親戚の被災がわかってからは三田回りの裏六甲ルートで遺品堀出し。最初は使命感と高揚感にあふれていたのに、春には被災地の写真を見ても、頭痛と吐き気をもよおす始末。救援者にもPTSDの症状がでてくる。仕方なく神戸から離れていると今度は不安と不眠が襲う。
 1年たって普通に被災地に行けるようになり、仮設の訪問を始める。あまりの住環境のひどさに怒りがこみ上げる。補修計画を持って行ったら、「ここは仮の住まいだからあまり手を加えないで」の声。いずれ立ち退くものと釘すらを打たしてくれない。しかたなくノミで切り込みの細工を加工。これでは作業ははかどらぬ。でも救援物資も退去時に返還するとして、段ボールごと狭い部屋に積み上げて手をつけない被災者に強いことは言えない。住民票も神戸に残し、高砂の仮設で凛としてがんばるSさん80歳の言葉にこちらは頷くのみ。「でも、今はみんな来てくれるからいいの。公営住宅に当たって帰神したら役所はそれで終わりでしょうね。みんなが来なくなる方がこわいのよ」マスコミのお涙頂戴の追悼特集も大切でしょうが、報道陣の来ない遠く離れたここの仮設のふれあいセンターでは「神戸市はこれから、わしらをどなしてくれるねん」と話す声がSさん宅にまで聞こえてきます。壁が薄いプレハブでは窓を閉めていても、隣なら明瞭に聞こえてくるのです。

 そろそろ花束を持って駐車場へ行く。エアジャッキで大きな梁を持ち上げたあたりに花を置き、数珠を持つ。午前5時46分黙祷。目を開けたら線香とワンカップを持った近所の人がいた。「今年もきてくれたんか」

    震災3度目の朝に


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96.1.17神戸ハーバーランドにて [阪神大震災・記録]

 阪神大震災被災地の医療機関は、病院自身が被災し(1)情報の途絶(2)ライフライン途絶(3)交通マヒ等により診療機能が大幅に低下したまま、殺到する患者に、通常の1/3のスタッフで対応した。ちょうど1年たった今、バイクで救援に走った経験をもとに思い出してみます。

情報途絶

 電話はつながらないので飛び込みで救援を試みました。はじめにリュックいっぱいの救援物資を担いでいった病院は自衛隊の給水車がきており、食料も水も周辺の住民に配給するほどでした。しかたなく、1Kmほど離れた別の病院へ向かうと、ろくに食事もとれず汚れたままの白衣で診療にしていました。近所でも電話が不通で、互いの状況も把握できない有り様です。持参した白衣やワンカップ酒は特に喜ばれました。救援物資にないものを考えました。小児科の入院患者向けのお菓子も婦長などは泣いて喜んでくれました。
せめて電話の代替手段があれば、救援の集中や患者の振り分けできたのにと悔やみます。
 

断水

 トイレの水くみの苦労は家庭も病院も大変な苦労でした。高層の病棟では、患者用の便所の水洗水の確保に、貴重な診療スタッフが割かれました。小便器は水がもったいないためそのまま。臭いというより、アンモニアの瓶をそのまま嗅いだようです。床にあふれた汚物も病院スタッフの仕事です。ふろにも入れない状態での清掃作業は困難で、汚れると避難所に帰れなくなります。
 またクラッシュシンドロームで血流再開と同時に老廃物が吹き出すように、水道が復旧するとごみと下水処理の大問題が発生しました。下水処理場は設備が壊れたままで、川にそのまま流して、薬品をぶちこみ、大量の仮設トイレも神戸市全体で十数台しかないバキュームカーでは回収しきれず、校庭に穴を掘って埋めました。

交通マヒ

 緊急車両のプレートをオフロードバイクにつけて武庫川を渡った時のことは忘れられません。回りの建物はどんどん倒壊してゆくのに、自分は高揚感で寒さも感じなくなるのです。甲子園球場ががそびえ立っているのをみて少し安心したのですが、すぐに渋滞が始まりました。緊急車両も動けないのです。脇をすり抜けて前へ出ると、頭上の阪神高速道路が落ちて歩道に1台づつ車両を誘導しているのです。このときバイクの渋滞というものを初めて経験しました。
 ヘリ搬送をもっと充実させよとの声がありますが、救急車も渋滞する状況で、ヘリ搬送が本当に有効だったでしょうか。周辺に臨時へリポートが確保できれなければ利用できず、ヘリポートまでの搬送確保に問題が生じでいます。ヘリに添乗した医師が対岸の泉州救急救命センターに取り残され、電車と徒歩で8時間かけて大阪湾をぐるりと神戸へ帰ったケースもありました。長崎・沖縄のように日頃からの救急ヘリ搬送の実績が必要だと痛感いたしました。連絡調整に必要なものは、災害時だけの運用するというのは困難です。一番有効なのは、早期の交通規制でははないでしょう。

復興計画と区画整理

 いきなり患者に手術しかないと迫るようなものでしょう。それも広範囲の切除が必須で、ほかに方法はありません、と短期間で決定されてしまう。インフォームドコンセントなしに区画整理を強行すれば、裁判を起こされるのは、医療も震災も同じでしょう。いくら低利のローンを融資しても、高齢者にとっては、体力のない老人に大手術をするのと同じことです。たとえうまくいっても寿命がさきに尽きてしまいます。年金で払える低い家賃の公的賃貸住宅を供給するしかありません。
もうすでに10名を越えてしまった仮設住宅での孤独死の原因は、せっかく避難所でできあがった地域コミュニティを分断して、高齢者だけをばらばらに仮設に詰め込んだことに原因があるでしょう。

報道されない医療の問題点

 震災を考える医療シンポジウムなどの意見は、被災地では何もできなかった無力感、大阪などの後方搬送施設では本来ならもっと助けられたという悔やみ、遠隔地から駆けつけた医療ボランティアは立ち上がりの遅さの3点に集約されるでしょう。それぞれの立場の違いが議論をすれ違わせることもしばしばです。
 また現場の混乱は、金を積まれたりやくざに脅されトリアージを変更するといった通常では考えられないような事態から想像できるでしょう。せっかく出勤できても、あまりのひどさに翌日から休んでしまうとか、余震のたびに怯えて仕事にならない。超勤手当の支給でもめたり、病院倒産のうわさに惑わされたり、医療の分野でニュースになるのはほとんど「いい話」ばかりで、「悪い話」は報道されません。このような実名があげられないケースにこそ震災時の医療の問題点が内在するといえるでしょう。
 本来なら災害対策の提言をすべき時期なのでしょうが、被災地では震災の記録を保存するのがやっとです。PTSDなどの心理的ケアの問題はだんだん深刻になってきました。奥尻島のケースでも心のケアの問題は指摘されていたのに、対策は後手にまわっています。「阪神大震災に学ぶ」といった声はよく聞きますが、本当に学んでくれるでしょうか。全国どこの病院でも近所で列車転覆や高速でのバス事故があれば、被災地での混乱が再現されます。急患が想定の10倍発生すれば、トリアージしないと処置できません。

おわりに

 毎月神戸には子供と訪れていますが、いつも感心することがあります。大人向けの食事しかないお店でも、子供用にわざわざ味付けを変えてくれたり、1品を二つの小皿に分けて出したり、コーヒー付きの定食がデザート付きに替わっていたりするのです。マニュアルになくても、臨機応変に対応する姿勢。要求されなくても、相手の状態をよく見て、少しの手間と工夫が結果を大きく変えます。武庫川を渡り西宮、芦屋、神戸、そして淡路でも幾度となく遭遇した「思いやり」です。今後、われわれ公務員が一番見習うべき住民サービスの原点ではないでしょうか。
 ここ神戸ハーバーランドでは昨夜から続いていたメモリアルコンサートも最後の演奏になった。タイガー大越のトランペットが、アベマリアを私たちの心に刻みつける。

         そして、防災服で貝原兵庫県知事登壇、午前5時46分 「黙祷」

                             あたらしい年が、いまあける。


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